臓物(ハラワタ)をブチ撒けるためのブログ

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ななしのアステリズム、全5巻を読み終えて…

終わった。終わってしまった…

私はこの作品に本当に夢中だった。

感謝の意味を込めて、この作品のことについて語らせていただきたい(女子3人について語ります、男子2人のファンの人はごめんなさい)。

 以下ネタバレありです。


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現実ではあり得ない女子だけの一方通行の三角関係…


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だというのに、彼女たちの心理はとてもリアルに描かれていた。同性の友達に恋をしてしまい打ち明けることができない苦しみ…それでも抑えることができない甘酸っぱい喜びに読んでいるこちらまでドキドキ、キュンキュンしてしまった。

また、誰かの想いが伝わってしまったとき、この3人の関係がどうなってしまうのか…という恐怖感によるドキドキもこの作品から目が離せなくなってしまった一因であろう(これは吊り橋効果に通じるものがあったと思う)。

 

最終的には司、撫子さんのそれぞれの想い人に気づいてしまった琴岡さんの暴走で、3人の関係は壊れかけてしまうが、昴から激励を受けた司の行動で3人の関係は修復される(打ち切りでなければ、女子3人+男子2人が織り成す絶妙なバランスで保たれた人間ドラマがもっと見れたのだろう…ここは本当に悔やまれる)。

 

3人の関係修復後に司が出した撫子さんへの想いに対する答えは悲しかった…悲しかったけど、納得はできた。

ななしのアステリズムはラブストーリーだ。ラブストーリーである限り、恋愛の敗者は必ず存在する…断言するが、この敗者が撫子さんでも琴岡さんでも私は同様に悲しんだ。

このラブストーリーにおける敗者は「想い人」と「親友」を自分以上に大切にしてしまう優しすぎる司…ヒーローであり、栄光ある敗者なのだ。

最終5巻の裏話にも書かれていたが、「恋が叶わない=幸せじゃない」はその通りだと感じたし、優しすぎる司の魅力に気付く人は必ずいる(というかすでに恭介くんが気づいているな)。

 

ななしのアステリズムは本当にすばらしい作品だった。

巧みな心理描写と丁寧に張られた伏線。

女子だけの一方通行の三角関係と主人公をラブストーリーの敗者に選んだというのも斬新である(主人公が敗者は賛否両論だと思うけど)。

 

最高の作品を描きあげてくれた小林キナ先生に感謝を贈るとともに今後の活躍に期待したい。